居場所をください。




「今日はマイクロなんだ。」


マイクロバスは久々だな。


「スタジオ遠いしな。

スタッフも多いから。」


「なるほどね。」


私たちはマイクロバスに乗り込んだ。


「お願いしまーす。」


えーと、席は……………


「美鈴は一番後ろ。」


はいはい。


私は一番後ろの広いところへ向かった。


「え!?なんで貴也?え?」


一番後ろの席には貴也も座っていた。


「なんでってMV撮影にいくんじゃねーの?」


「そうだけど…

え、貴也が相手役なの?」


「俺はそう聞いてるけど。」


なんだそれ…。


「長曽我部さん!なんでいってくれないの!」


「その方が面白いかと思って。」


もう、なにそれ。


「早く座れよ。出発しねーだろ。」


貴也に言われておとなしく座った。