「でも売名行為って言われたのは
少し納得しちゃったよ。」
「そんなことしなくても美鈴は売れたけどな。」
「そうかな。」
「もっと自信持てよな。」
「まだデビューして半年もたってないからね。」
「な。まだそんだけかって感じ。
もっとたってそうなのにな。」
「まだ長曽我部さんと知り合って
一年もたってないよ。」
「へー、まだそんなもんなのか。
それなのに今の売れ方はすげーな。」
「でしょ?
だから売名と言われても仕方ないよ。」
「そんだけ実力があるんだよ。
逆に実力がなかったら
売名と疑われるようなことを
長曽我部さんはさせない。
あの人はそういうのを嫌うから。」
「なるほど、確かに。」
そんな会話をして外に出ると
タクシーがすでにいて
早さに驚いた。


