居場所をください。




「悪い。待たせた。」


貴也も外へ出てきた。


「ううん、いーよ。」


私たちはタクシーを拾いに大通りに出て

愛翔くんと別れてマンションへ戻ってきた。


「今日も部屋来る?」


「おう、行く。」


「なんで最近は突然毎日来るようになったの?」


「なに、だめなわけ?」


「そういうわけじゃないけど

なんでかなって思って。」


「…一緒にいたいから。

別にいいだろ。」


真顔でそういう貴也に

私は少し違和感を感じた。


でもそのあとすぐ微笑んだ貴也を見て

私は一人で胸を高鳴らせていた。



「貴也もそんなこと言うんだね。」


「別にいいだろ。」


「全然いいよ。

いっぱい言って。」


「美鈴もな。」


私たちはくっついて

私の部屋に向かった。