………!


その言葉に、僕たちは少し心が落ち着いて
芝さんの話に聞き入る。


『今は、一刻も早く紺の居場所を掴んで
小娘を奪還することじゃ!

わしが紺の妖気を辿るから、ついて来い!』





僕たちは、はっ!として芝さんの言葉に頷いた。

すると、芝さんは、すっ、と尻尾を立て、紺の妖気を探る為に、ゆらゆらと尻尾を揺らしている。


……ごく。


喉を鳴らし、緊張してその様子を見つめていると

芝さんが、ぱち!と目を開いて僕たちに向かって叫んだ。


『感じるぞ!紺は、この隣の山におる!

竜ノ神の神社じゃ!』





それって……

九条を最後に見た、あの神社か…!

僕たちはそれを聞くと、芝さんに言われるがまま走り出した。


……詠ちゃん………!

今、助けに行くからね…!


僕は、そう心の中で呟いて、懸命に足を動かした。