「稀美果の言う通りだ…ごめん…」



「これからは私の作ったお弁当しか食べちゃダメだからね!直寿は私だけの直寿なんだから!」



「ああ、稀美果の弁当が1番美味いからな!本当にごめんな」



直寿の手が稀美果の頬にかかり直寿の顔が近づき唇が落ちて来る。

稀美果は瞳を閉じて待つ…

…が、いっこうに唇は落ちて来ず稀美果が瞳を開けると…



「生徒皆んなに平等じゃないといけないな…残念だけど卒業するまでもうキスは出来ないか…」



直寿はわざとらしく大きな溜息をつく。



稀美果は、もう!と言って直寿の首に腕を回しキスをする。



「ところで、弁当だけど一昨日は学園長に食べて貰ったんだよな!昨日、学園長は留守だったけど誰に食べさせる為に持って行ったんだ?上島か?」



「えーと…それは…ですね…」



「まさか波瀬…」



「ごめんなさい!!お祖母様は留守だったし、波瀬川君いつも売店でお昼買ってるから、深い意味じゃなくてただの友達としてだよ!」



「当たり前だ!深い意味があってたまるか!!だが、それで波瀬川の誤解を招いたんじゃないか?」



「はい…ごめんなさい…」



先ほどの直寿と形勢逆転、今度は稀美果が小さくなっていた。



明日ちゃんと波瀬川君に謝ろう……