直寿は「さっさと掃除して帰れよ!」とだけ言ってその後は一言も喋らず、稀美果が掃除する中、窓際の自分の机で仕事をしていた。



なんか気まずいな…

帰ったら謝らないとダメだよね…

でも、私は何も悪い事してないんだけどなー…







稀美果は帰宅すると洗濯物を取り込み夕飯の支度をする。



買い物は八重さんが母屋の買い物のついでに買ってくれている。

勿論お財布は別だ。



冷蔵庫を開け「今日はアジの開きとじゃが芋のそぼろ煮、タコとわかめの酢の物、味噌汁は…大根と油揚げ!」



稀美果が準備をしだした頃直寿が帰って来た。



直寿はキッチンに入って着て「ただいま!」と稀美果を後から抱く。



「直寿、もう怒ってない?」



稀美果は体の向きを変え直寿を見上げる。



「怒ってないよ。ただ嫉妬した!あいつ稀美果、稀美果って…」



稀美果は直寿の眼鏡を外し直寿の言葉を遮りキスをする。



「心配しないで私は直寿しか見てないよ!誰がなんと言っても直寿だけを愛してるから!」



「フッ…稀美果、煽るなよ」



直寿はチュッとリップ音を立て直に激しく熱いキスを稀美果に落とす。