先生は私の旦那様

渋々、直寿について地下駐車場に行くとシルバーのBMWが停まっていた。


へぇこの若さでBMWだなんて、さすが富裕層が通う櫻瞳華学園をもつ黒木財閥の御曹司だけあるわ。





自宅まで送って貰うと稀美果は車を降り


「わざわざ送って頂き、あ、り、が、と、う、ご、ざ、い、ま、し、た!」と稀美果は嫌味のように言う。


「いや、ついでだからな。」と直寿も車を降りる。


え?なに玄関まで送ってくれるの? 意外と紳士じゃない?


玄関のドアを開けると直ぐに八重さんが迎えてくれた。
八重さんは私が生まれる前からこの家の事を見てくれているお手伝いさんなのだ。


八重さんは「お帰りなさいませお嬢様、直寿様。」とお辞儀をする。


ん?八重さん?今、直寿様って言った?
私の聞き間違いかしら?……


「今日からお嬢様は離れのお部屋となりますのでそちらへお回り下さいませ。直寿様のお荷物もそちらへお運び致しております。」


「は? 八重さん何言ってるの? なんで私が離れなの?なんでこの人の荷物が運ばれてるの?」


「大奥様からそう伺っております。こちらが鍵でございます。」


八重さんが鍵を出すと直寿は


「有難うございます。お世話になります。」

と直寿は軽く頭を下げた。