「…みか……稀美果! おい! 大丈夫か?」

「あれ……直寿?…」

「いつ迄も風呂から出て来ないから見に行ったら、茹でダコになって倒れてるから驚いたぞ! 何やってるんだ? ほら! これ飲め!」


直寿はスポーツドリンクを差し出してくれた。


「ありがとう…」


湯船に浸かって直寿を待っている間にのぼせてしまったようだ……
今は額に冷たいタオルを当てて貰ってベットに横になっている。って事は? …って…こと…は? ……えっー!!
直寿が私を運んでくれたって事だよね???


「な…直寿…私の裸見たよね?……」


稀美果は顔を真っ赤にして直寿から『見てない』と返ってくるはずのない返事を微かな望みを込めて聞いてみる。


「し…仕方ないだろ!? 目を瞑ってなんて出来ないんだから…… それ飲んだら早く服きろよ! また風邪引くから! 俺は風呂入って来る!」


直寿からは当然な答えが帰って来るわけで、稀美果が恥ずかしくて目を逸らしていると直寿はお風呂に入りに行ってしまった。


「直寿…「いつ迄もお風呂から出てこないから…」って言ってたけど、初めから直寿は一緒に入るつもりなかったって事? 私が一人でドキドキアタフタしてたって事?……」

なんだか一気に力が抜けたように暫くボーとしてしまった。
そして布団の中の自分の姿を見て……


「キャッー!!!」

……悲鳴を上げる。