午後の仕事を泣き腫らした目で済ませて上がった。

別れ際まで私のことを心配してた佐藤ちゃんは、「元気出して。直ぐに仲直りできるよ」と励ましてくれた。


「きっと彼氏が勝手に嫉妬してるだけだから気にしなくてもいいって。美結りんが彼のこと一番好きって言えば、それで分かってくれる筈だから!」


「……うん………ありがとう、佐藤ちゃん……」


そんな簡単なものだろうかと思いつつも手を振って別れた。

駅に向かって歩き出しながら、今日はどっちへ帰ろうかと悩む。



ペソのいる実家?
それとも怒ってるような態度を見せる羽田の部屋?



(……怒ってる人のいる部屋に戻るのはヤダな……)


足先を実家に向けて歩き出しながら、やっぱりダメだ…と向き直す。



何があっても今日中に仲直りするって決めた。
だったらきちんと説明して、羽田からもきちんと説明してもらう!



(私、昨日ペソよりも羽田に会いたい…ってスゴく思ったもん!だから、会って話をしないと……!)



今夜は夕飯作って待っとこう。
何時に羽田が帰るのか知らないけど、LINE流しとけばいいし。



「うん、そうしよう!」


一緒に暮らしだしてからこっち、羽田に作ってもらってばっかいたから丁度いい。

今夜は私が手料理を振舞って、羽田をラクにしてあげる。

それから一緒にお酒飲んで、いろんな話をするんだ。