瞬間、恋をした




でもそんな理由で雑用をやらされてるわけでもなさそうだし。



「高梨さんさあ、せめて『はい』か『いいえ』くらい、言ってくんない?」



俺のその言葉に、高梨さんが顔を上げたかと思えば、俺をキッと睨んだ。

そしてまた、視線をもどした。



うわ……意外と怖い。

そんなきれいな顔してるのに、ムスッとしてたらもったいねえのになあ。



なんて思いながら、そのあとは急いで黙々と仕事を片付けていく。

俺がようやく終わったのは、10分後。


だけどちらっと高梨さんのことを見ると、まだあと半分以上綴じられてないプリントが残っていた。

渡されたプリントを半々くらいにわけたはずなのに……さすがに遅くない?


そう思って、右手にある綴じ終わったほうのプリントを見て、思わず「ふはっ」と吹き出してしまった。