きみと、春が降るこの場所で



ぽっかりと空いた雲間から覗く青い空を仰ぐ。


強い風が吹いて、並木を揺らす。


桜の木だった。俺が寝転がっていた河川敷にも桜の木が長く立ち並んでいた。


まだ蕾は小さく、開花の兆しすら見えない。


詞織は、桜を見て喜ぶだろうか。


見せてやりたい。

また、懐かしくて寂しいと、笑うのだとしても。