「……片桐さん、あそこ…」
「かしこまりました。」
そこには、鉄パイプを握りしめてる人が一人。
しかもそれは女の子だった。
「ケンカっていうのはな、素手でするもんなんだよ。」
片桐さんは、そのパイプが降り下ろされる前に、片桐さんがそれを止めた。
「こんなもので本気で殴ったら死ぬかもしれねーだろ。
ケンカっつーのは素手でやるから意味があるんだよ。
自分の拳を痛めてやるから意味があるんだよ。
最近のガキはそんなことも知らねーのか。」
片桐さんはそういって、鉄パイプを奪い、こちらへ戻ってきた。
「夏川さんは?」
「あちらで楽しんでおられます。
湊様の後ろです。」
「あぁ、ほんとだ。」
ちゃっかり湊のこと守ってるんだなぁ…。
「すげーな…」
「ふふ、そうでしょ?」
みんなは、本当におとなしくここを見ていた。
「……懐かしいや。
もう25年前だもんなぁ…」
「母さんたちのときはいつもこんなことしてたのかよ。」
「まさか。
ただ、なかったわけではないよ。
少なからずはあったよ。
今は減ったよね。
悪さする子が減ったから。」
「そうだな。
こういうの、俺らはまだねーから。」
「そっかそっか。
それはよかったよ。」
いい社会になったものだ。


