「言い分はそれだけ?
部外者は黙ってろっていってんのに、なに愛梨を殴ってんだよ。」
そういって、この男は私に手をあげた。
その拍子に、私は倒れてしまった。
「由茉様!」
「由茉!」
「大丈夫、ちょっと転んだだけだから。」
こんなの、昔に比べれば全然……
ゴンッー
……え?
「おばさんに手出してんじゃねーよ!」
「…愛希…」
気づいたら、愛希が私の前にたって、男を殴っていた。
「……いってーな…やってくれんじゃん」
男はそういって、愛希の胸ぐらを掴んだ。
「手を離せ。俺が相手になってやるよ。」
「爽…」
「は?お前みたいなおっさん、俺に敵うと思ってんの?
こっちには150人、男がいるんだけど。」
「ケンカっつーのはな、人数でやるもんじゃねーんだよ。」
爽はそういって、この男を殴った。
「どんだけ大事なもん守れるかっていう気持ちでやるんだよ。」
「てめーら…」
爽が殴ったことで、女は下がり、男たちが前へと出てきた。
「由茉様、お下がりください。」
「片桐さん…」
「大丈夫ですよ。」
片桐さんは私の横で優しく微笑み、その瞬間ドアが開いた。


