「言っとくけど、俺からしたら君たちの個人情報なんて、簡単に手に入れられるからね?
ねぇ?杉崎愛梨さん?
R大経済学部2年在籍で、A高出身、実家は豆腐屋で経営が苦しいんでしょ?」
……事前に調べてきたのか、この男は…
やることが本当怖いよね…
「妹さんはもうすぐオーストリアへの留学が決まってるんでしょ?」
「もういい!
……わかったわよ、諦める。」
「……それって、あなたが妊娠してないってこと?」
「そうよ!
さっさと帰ってくれない?目障り!」
そういってこの女は後ろに振り返り、私たちとは反対の方向へ歩いていったけど…
バチン!!ー
私は急いで追いかけて、平手打ちした。
「なにすんのよ!」
「最低ね!そんな嘘つくなんて。
そんな嘘で男を騙すなんて、女として一番最低よ!
愛希がどんだけ悩んだと思ってんの!?
どんな気持ちで私に話してきたと思ってるの!?
好きでもないのに性行為して…
子供育てる覚悟がないのにそんなことして…
本当にできてたらどうすんの!?
中絶される子供が可哀想よ!
生きたくてこの世に生まれてくる命を簡単に奪おうとする人を私絶対許さない!」
私がそういうと、クスクスと笑い声が聞こえた。


