生きる。~番外編~




「爽、ちゃんと守ってあげなよ?」


「おう。
……俺、愛希の父親。
俺も昔愛希と同じようなことしてたけど、そんな風に俺を責めるやつはいなかったけど
君はどうして愛希を責めるのかな。
愛希としたかったからして、君も満足したんでしょ?」


「……私は子供がほしかった訳じゃない。」


「そりゃそうだろうね。
そんな法外な額を請求してくる、頭の悪い子に子供なんか育てられないもんね。」


…ちょい、爽さん。
ずいぶん挑発するね…。


「ここに12万ある。
これだけあれば中絶はできる。
お釣りも来る。
これで勘弁してくれない?」


「は?そんな簡単に片付く問題じゃないでしょ!?」


そりゃそーだ。


「だから今から一緒に病院へ行きましょう。
その事実を知る権利は、こちらにもあるはず。」


「だから部外者は黙ってろよ!」


「そんな大きな声だして……
事実確認されるのに、なにかいけないことでもあるの?」


「……ふっ、わかったわよ。
その12万で勘弁してあげる。」


「おっと、これも妊娠の事実がこちらも確認できなきゃ渡すことはできないよ。」


「は?」


「ねぇ、君さ、本当にしてるの?妊娠。」


「まだ疑ってんの!?
してるって言ってるじゃない!」


「それじゃあ俺は正式に、弁護士を雇う。
もし君が本当は妊娠していないのにお金をとろうとしていたのなら…
片桐さん、なんでしたっけ?」


「刑法第246条詐欺罪により、10年以下の懲役に処する。
また未遂の場合、第250条によって処する。」


「だって。どうする?

一緒に病院にいって、事実確認してからお金を受けとるのと、
ここで俺から金を奪って調べられるのと、
諦めるの。
もちろん、お金を渡すには親の連絡先を先に聞くけどね?
謝罪しなきゃならないから。」


爽が女の子にそういうと、女の子は黙った。