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「へー、今日は一人じゃないんだ。」
愛希に向かってそう言ったのは、いきなり男だった。
「誰?」
「あー、サークル仲間らしい。」
「ふーん。」
部外者。
だけど私も部外者だからそういうことは言わないでおこう。
ざっと…200はいる?
男だけでも確かに150はいそう。
「お金は?持ってきてくれた?」
……この子が相手か。
まぁ確かにかわいいけどさ。
「お金ならある。現金で、150万。」
私はそういって、バッグから茶封筒を出した。
「だけど、同意のもとでしたんなら、こんな法外な額を請求するのはおかしいでしょ?
あなたが妊娠してるならこちらも責任はとる。
お互い楽しんだなら、慰謝料なんかとることはできない。」
「傷ついた。
こうなって負担になるのはいつも女の方なのよ?
請求して当然じゃない。」
「その場持ってかれるような軽い女が言うセリフじゃないわね。」
「は?」
「そういうのはね、彼氏との間に子供が出来たのに、逃げられた人が使うセリフなのよ。
あなたみたいに一夜限りにしか相手にされない、魅力のない女が使うセリフじゃない。」
「ふっ、おとなしく聞いてればごちゃごちゃと…
部外者は黙ってろよ!」
「そういうあなたも部外者よね?
部外者な私も黙ってあげる。その代わり、あなたも黙りなさい。」
私は突っかかってきた男に強く言った。


