「なにしてんだよ!こんなとこ入ってきて…」
「いいじゃない。入りたかったんだから。」
「夏川さん、すみません。
おい、手を下ろせ。」
「…はい。」
「結月さんのお母さん、ですか?」
「あぁ…ただ、俺の父さんが昔の総長やってて、母さんは姫だった。」
「姫!?」
「こっちは愛希の父さんで、母さんの代の副総長の爽さん。
で、こちらは21代目総長で、今は俺んちに働いてて母さんのSPみたいもん。」
「ま、まじすか…」
話を聞いて、周りのみんなが私たちに頭を下げた。
「別にいいのに。そこまで説明しなくても。
それより愛希は?」
「上にいるよ。」
と、いうことで私たちも階段を上がった。
「はぁー、懐かしいなぁ…」
幹部室に入り、とりあえず私は総長席に座った。
「おい、俺の席。」
「それより愛希、行けるよね?」
「…おう。」
「じゃあ行こ。」
「俺も行く。」
「だめ。結月は待ってなさい。」
「なんでだよ。」
「自分の子供が危ない目に遭うような場所につれていけるわけないでしょう?
いいから、結月は待ってなさい。」
私はそういって、愛希をつれて幹部室を出た。
「夏川さんも久しぶりでしょう?」
「はい、とっても。
総会のとき、幹部室に入れるのは初代と決まっていますから。」
「はは、そうだね。
まぁ私たちは入ってるけどね。」


