「…とりあえず、お金のことはわかったから、その子から妊娠証明書をもらっておいで。」
「妊娠、証明書?」
「妊娠したことを証明する書類。病院に言えば必ずもらえるから。
なら愛希も一緒に病院に行ってもいいし。ね?」
「母さん、それ俺も言ったんだよ。
まずは一緒に病院行ってこいって。
そしたら愛希はもうそれ相手に言ってたっぽくて。
そしたら信じてもらえないの?って言われて泣き出して、急に男たちに連れていかれて、ボコられたって。」
「は?え、なんで?」
「で、愛希は少しビビっちゃって、俺に泣きついてきたって感じ。
親の財布から金パクるのも限界があるし。」
「……ねぇ愛希、その子と性行為してからどのくらいたった?」
「確か…1ヶ月と1週間くらいだったかな。」
「……はぁ…。
その妊娠、たぶん嘘だよ。
いい?妊娠って言うのは月経の約2週間前に来る排卵日に確率が上がるの。
これはあんまり個人差って言うのは少ないの。
最近妊娠に気づいたなら、恐らく今は月経予定日から1週間後くらい。
つまり排卵日から4週間後。
たとえ今が月経予定日から2週間たってたとしてと、排卵日とはあわないの。
だから向こうが一緒に病院行きたがらないなら、たぶんそれは嘘。
無視していいよ。」
「でも、学校とか親に連絡するとまで言われてて…」
どうした、愛希。
愛希ってそんな弱虫だったっけ?
「……相手、どんな人なの?」
「2個上の大学生で…」
「わかった。
よし、じゃあ私も一緒にいくから。
ね!だから一緒にいこう。」
「なんで由茉がいくんだよ」
「こういう問題はね、女が行った方がいいの。
愛奈ちゃんじゃむりでしょ?」
私がそういうと湊は黙った。


