「はい、どうぞ。」


21時過ぎに帰ってくる結月に合わせて、湊も必ずこの時間にご飯を食べる。

そういう父親らしいところが好き。


まぁ葉月は太るから!と言って決してパパを待とうとはしないから、夕方私と一緒に食べちゃうんだけど。


「食べながらで悪いんだけど、話ってなに?」


「……すげーいきなりなんだけど、金貸してほしくて…」


「お金?いくら?」


「……150…万…」


「150万!?え、なんでまたそんな大金を?」


「それが俺…なんか女の子を妊娠させちゃったみたいでその責任っつーか…
相手は中絶するらしくてそのお金と、その…慰謝料的なのを要求されて…」


「とりあえず落ち着け。」


愛希が本当に辛そうに話してて、湊がそう声をかけた。


「結月はしってたの?」


「いや、今日初めて聞いた。
突然俺に金貸してとか言い出すから。」


「そっか。
でもさ、その行為は同意のもとで、でしょ?
無理矢理とかじゃないんでしょ?」


「無理矢理ではないけど、彼女とかでもないし…」


「愛希は、その子が産むって言ってたらどうするつもりだったんだ?」


「……なにも…」


「はぁー…そうか…
それでも慰謝料150万はちょっと多いな。
弁護士通せばもっと安くなるはず。」


……そう、だろうけど…