「まぁ話聞くのはいいんだけどさ…爽って人の心読むのはやめたの?」


「いや、俺はまだコントロールできねーよ。
由茉がなに考えてんのかもわかるし。
ただやっぱ愛奈とか子供達となると話は別なんだよ。」


「ふーん、そんなもんか。
んー、じゃあどうしよっかな。
明日学校サボらせる?」


「え、由茉からそんな言葉出てくるとは思わなかったな。」


「だってさ、たぶん結月と愛希一緒に帰ってくるじゃん。
結月に気づかれたくないならそれしかなくない?」


「……そうだけど…
でもあいつら学校も一緒にいくじゃん。」


「っていうか結月にならバレてもよくない?
むしろなんで内緒にすることなくない?」


「まぁそうなんだけどさ」


「よし、そうしよ。
明日結月に連れてきてもらうことにするよ。」


「わかった。
ってかさ、結月に小遣いいくら渡してる?」


「うちは湊が現金持たない派だからすでにカードなんだよね……
でも月50万までだけどね。」


「え、葉月にも?」


「うん。頭おかしいでしょ。
私が高校生の時は10万だったけどね。
カードの限度額。」


「いや、それもおかしいから。
俺なんて5,000円だったわ!」


「……そ、そっか…」


「それでガソリン代もかかるし、そりゃ親の金くすねるだろ。」


「愛希たちにはいくら渡してるの?」


「一万。俺は平均所得よりは上だし。」


「へー、そっか。」


「バイクだって俺のお下がりだからガソリン代くらいしかかかってねーのに。
金、なんでそんな必要なのか…」


「ところでさ、高校生でなんであんな立派なバイク持ってたの?」


「あー、俺の父親も如月だったんだよ。
だから買ってくれた、みたいな。
純とこもそうだな。自分で買ったのは哉斗くらい。
颯はお下がり誰かからもらったんだよ。
湊なんて一輝さんのお下がりだからな。」


「え、そうなの?今も乗ってるやつだよね?」


「そ。最初は慎一さんのお下がり乗ってたんだけどな。
湊は手入れしてるから本当に状態いいよな。」


「だから結月にはバイク買ってあげたのかぁ。納得。」