「ところで由茉、
約束してた写真持ってねーの?」
「え、そんな急に言われても
1枚しかないよー。」
「持ってんじゃん。」
「はは、まぁね。
1枚は持ち歩いてるの。
ちょっと待ってね。」
えーと……
「写真ってなに?」
「あぁ、高校生の頃の。」
「持ち歩いてんの?」
「1枚だけだけどね。
はい、大輝。
私たちの超青春時代だよー。」
それは私たちが如月を引退したあの日。
私たち6人と、バイク5台。
「……由茉はあんま変わってねーけど
超ヤンキーだったんだな。」
「はは、ほんとだよね。
そうやって見ると、湊なんかほんと変わった。
中身は全然変わってないけど。」
「そうでもねーだろ。
ケンカしなくなったわ。」
「はは、そっか。
短気じゃなくなったね、確かに。
ちゃんと謝るもんね。」
「ガキ扱いしてんな。」
ふふ、前までは少しぶつかったとか
そんなことで喧嘩売られて
すぐにケンカになってたもんね。


