お互い、部屋にベッドを置いてるのに
とくに大きな喧嘩をしてこなかった私たちは
ほとんど部屋のベッドを使っていない。
湊はたまに遅くまで仕事してるときに
部屋で仮眠とったりしてるみたいだけど
朝には私の横で寝ている。
私なんか本当に使っていなくて
正直、もったいないくらいなのに。
「あ、ここか?」
そう言いながら湊が車をいれたのは
おしゃれなカフェ。
「あ、ここチーズケーキおいしいって
前に美月が言ってたの!
ずっと来たかったんだ~。」
「知ってる。」
「え?なんで?」
「前に雑誌見てたろ。
行きたいけど一人じゃいけないし
でもみんな都合がつかなくていけない
って顔してた。」
「もー、私のことは読まないでって言ってるでしょ。」
「そういうことくらいはいいだろ。」
「………連れてきてくれてありがと。」
「おう。」
なんだかんだ、私の好きなとこに
湊はいつも連れてってくれる。
相変わらずの優しさがほんとに好き。


