生きる。~番外編~




そして来週の予約をいれて、

今日の検診は終わり。


「もうちょっとかぁ、楽しみ。」


「そうだな。」


この大きくて重いお腹とも

あと少しでお別れか。

それはそれで寂しいな。


でも、元気に生まれてきてね。



「とりあえずお腹すいたー。」


「あ、俺行きたいとこあるんだけどいい?」


「うん、いいよ。」


車に戻り、湊に支えられながら乗って

私たちは次の目的地へと向かった。


「出産してからしばらくは

別々に寝ようかなと思ってるんだけど

いい?」


「は?なんで?」


「だって赤ちゃんって夜何回も泣くんだよ?

湊、仕事あるでしょ。」


「でもそれってかなり長い間だろ?」


「そんなことないよ。

数ヵ月だけ。」


「むり。俺もやるし、いいよ。」


「だめ。湊は夜ちゃんと寝なさい。」


「普通、男もなにかやるだろ。」


「湊は普通の男の人より

仕事いっぱいしてるからいいの。」


「はぁ?

………とにかく、別々には寝ねーから。」


「わがままだなぁ。」


「どっちがだよ。」