「え?………あー、わかる。
………会社に?……あ、そう。」
湊は雄と電話中。
私は出掛ける支度も済ませ、
湊の持ち物を支度するため
また湊の部屋へと戻った。
私たちはお互い部屋の鍵を使わない。
使うときは来客があったときだけ。
身内と爽たち4人、片桐さん、柳さん、
新井さん、西尾さん以外は
全員鍵をかけろと湊に言われてるから
そのためだけの鍵となっている。
ま、確かに大事なものは全部部屋だからね。
えーと、お財布とキーケースと腕時計……
それにハンカチとティッシュとGPS……
よし、いいよね。
「あ、出しといてくれた?」
「あ、湊。
うん。忘れ物ないよね?」
「あぁ、大丈夫。」
そして湊は私が出したものをポケットへしまい、
腕時計をつけると、アクセサリーもつけていく。
お財布にキーケースに、ネックレス。
どれも私があげたもの。
私があげたものは決して買い換えない湊。
腕時計はすぐに新しいの買うから
もうコレクション化してるけど。
「よし、行くか。」
「うん!」


