生きる。~番外編~



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あれから8ヶ月。

私は問題なく妊婦生活を送り、臨月を迎えた。


「由茉!」


「ん?」


「なにやってんだよ!」


「なにって掃除。」


すっかり秋が色づき、

暑さが引いた今日この頃。


ずっとお世話になってきた橘邸から

夏の終わりと共にマンションへと戻ってきた。


でもそれからも湊が心配しすぎて

家には常に誰かいる状態。

でも湊が休みな今日は湊と二人きり。


そんな時、珍しく湊が大きな声を出した。


「だからそんな動くなって!」


「だーかーら、

臨月入ったらいっぱい動かなきゃなの。

いっぱい動いて、赤ちゃんを下ろさないと

赤ちゃん、出てこないでしょ?」


「……そうだけど…」


「湊はね、心配しすぎなの。

もう37週だし、いつ生まれても大丈夫なんだから。

それより今日は出掛けるんでしょ?

湊も早く着替えて着替えて。

ご飯、もう少しで炊けるから。」


「わかったから。

無理すんなよ?」


「はいはい。」