私たちはしばらくして病室へ戻った。
とりあえずひと安心な大輝を見てほっとした。
「ところで片桐さんは?」
「病院までは一緒だったけど
俺いるし休んでいいって言って戻した。」
「そ、よかった。
片桐さん全然休もうとしないんだもん。
まだ子供小さいのに。」
「あいつはこの仕事好きだからな~。」
「ほんとだよ。
アメリカくらい、一人でこれるのに。」
「さすがに一人ではいかせねーけどな。」
「え、そうなんだ。」
「由茉は金持ち自覚が足りねーんだよ。
誘拐でもされたらどうすんだよ。」
「大丈夫だよ。
私には強い味方がたくさんいるもん。」
「…………どんだけ信じてんだよ。」
「ふふ、でももう一人の体じゃないから
なるべく一人は避けるね。」
「一人の体じゃなくても一人は避けろよ。」
「はーい。」


