「ただ匂いつわりだと、
俺の匂いが嫌で吐き気が出る場合があるんだとさ。」
「ふーん。」
私はとりあえず湊に抱きついてみた。
「うん、平気。
湊はぜんっぜん大丈夫。」
と、離れようとするも
「ちょ、湊。」
「なに。」
離す気配がない。
「誰か来るってば。」
「だから見せつければいいだろ。」
そういってまた近づいてくる湊の顔。
「もう……………」
結局いつも流されてしまうんだ。
「………幸せそうな顔してるな。」
「幸せだもん。」
「ならいいじゃん。」
湊がキスばっかりしてくるから
たまにここが病院だということを
忘れそうになる。


