生きる。~番外編~




「それより、妊娠してるのに飛行機っていいのかよ。」


「本当はよくないみたい。

でも私血圧も正常だし、貧血でもないし

行きの飛行機では全く異常なかったし

帰りもファーストクラスだし

何ヵ月間もこっちにいるわけにはいかないから

まぁ仕方ないし乗っていいって。

避けられるなら避けた方がいいらしいけど。」


「……………アメリカに残るか?」


「え、やだ。

こっち乾燥してるもん。」


「それもそうだな。

何かあればちゃんと言えよ?

航空会社にも伝えておくから。」


「うん、ありがと。

吐いてたのもつわりなんだけど、

私は匂いがだめみたい。

ご飯の匂いとか。

だから匂いさえ不快じゃなければ

特に吐いたりしないかな。」


「……………どうすりゃいいの?」


「んー、ご飯作るのは辛いかも。

食べるのも焼き魚とかは辛い。

にんにくとか、にらとか。」


「じゃあ誰か呼ぶか。」


「だからね、思ったんだけど

湊の実家に一緒に帰らない?」


「俺んち?」


「うん。

マンションにいると湊絶対無理するもん。

あとすっごい心配してくる気がするし。

だから、その心配がない湊んちに。

だめ?」


「いや、いいよ。

それなら匂わない料理作らせるし。」


「つわりがなくなったらマンション戻ろうね。」


「ずっといてもいいんだぞ?」


「湊にご飯作りたいもん。」


「……………さんきゅ。」