生きる。~番外編~




「……………まじか…。

やったな。

まじかー、赤ちゃんか。」


そんなこという湊の顔は今までで一番優しく

愛しそうに微笑んでいた。


「私ぜんっぜん気がつかなくて。

よかったー、お酒とか飲んでなくて。」


「俺も父親かー。

じゃあこれからは本当に

由茉に甘えてられなくなるな。」


「ふふ、大丈夫。

お手伝いさんも呼ぶし!

湊は働いてるんだから無理しないでね。」


「由茉も絶対無理すんなよ。

もう一人じゃないんだからな。」


「うん。」


「大事に育てような。」


「うん。」


「二人きりの時間もあと少しだな。」


「ふふ、そうだね。

でも早く会いたいな。」


「気がはえーよ。」


「そうだけどさー。

もう嬉しくて。

湊に似たかっこいい男の子だといいな~。」


「なんだそれ。」


「湊は?どっちがいい?」


「俺は両方ほしい。

だから今はどっちでも。」


「はは、それもそうだね。」