30分くらいして、大輝が戻ってきた。
「………どうしたの?」
大輝は戻ってくるなり、何も発せず
ベッドに倒れこんで動かない。
「……………由茉はさ、移植したんだよな?」
「え、うん。
移植しかなかったからね、道が。」
私がそういうと大輝はまた黙った。
「ドナーが見つかったんなら移植すればいいだろ。」
そんな大輝に向かって湊が言った。
「え、そうなの?
ドナー見つかったの?」
「……………あぁ、だけど
移植しても助からない場合もあるだろ。」
「でもさ、移植しないで助かる道は
大輝にはあるの?」
「……………それは…」
「なら絶対した方がいいよ。
だって生きるためにはそれしかないんだもん。
治して、また彼女に会いに行きなよ。
移植しないと彼女に会えないんだよ?
私知ってる。自分の思いを伝えずに
死んでいく人の悲しい顔を。
美波は最後の最後まで湊の名前を言ってた。
大輝にはそんな顔してほしくない。
だから移植しなよ。」
私がそう言っても
大輝は黙ったままだった。


