生きる。~番外編~




「最後は俺な。」


「ほんとに?爽が?」


「そ、俺が。

ってか湊にはバレてたけど。」


「いつ!?」


「高3のとき。

俺、由茉の後ろの席だったときあるじゃん。

あんとき由茉にめっちゃ話しかけてて

俺は湊からキレられるし

由茉は湊とケンカしてたし

あの時が一番好きだったな、由茉のこと。」


……………信じられない。

爽が私を…?


「由茉と湊の誕生日プレゼント買いに行ったときのこと

覚えてる?」


「うん。爽の元カノに会った日。」


「あの時、由茉ってこんないい女なんだなー

って気づいた。

というか、あれがきっかけ。

どんどん由茉がいい女に見えてった。


大学入って愛奈と付き合ってからも

由茉だけはすげー特別だったよ。

ま、特別だけでいったら今もだけど。

いつもありがとな、由茉。」


「こちらこそ。」


爽にハグは初めてじゃないし、

なんとなく平気。


「由茉ちゃん!俺もー!」


「ちょ!哉斗!」


結局哉斗も飛び付いてきた。

さすがにもう慣れたけどさ、哉斗は。