「……ちょっとトイレ。」
私がいたら湊が美波の事を想いにくいかと思って
……………湊が美波の事を想ってる顔が見たくなくて
私は逃げるように部屋を出た。
「あれ?由茉ちゃん一人?」
下に降りるとおばさんが言った。
「うん。
美波の部屋がどんな感じか気になったから行ったけど
私にはあそこの部屋に思い出ないから
今は湊と美波の時間。」
懐かしいと思えるものは
当たり前だけどなにもないから。
私と出会う前の時間があそこには流れている。
私が入っていい時間ではないんだ。
「……………帰ろっかな。」
「え、湊くんは?」
「今は美波の部屋で思い出に浸ってるし
邪魔はできないもん。
私と美波の思い出はアメリカのあの病院にしかないから
私はここにいるべきじゃないかなーって。
今日私は入籍の報告に来ただけだしね。
ごめんね、お邪魔しました。」
私は言いたいことだけ言って美波の家を出た。
「待ってた。」
美波の家を出ると、なぜか爽がいた。
バイクにまたがって……
「な、なんで?」
「いいから早く乗れ。」
「え、あ、はい。」
わけがわからないけど
私は爽にラチられた。


