「……うまい。
懐かしいな。」
またここでケーキ食べるなんてな。
「湊、前はケーキ食べられなかったのにねー。」
「それも懐かしい思い出だろ。」
「そうだけどね。」
「あの、ひとつお聞きしてもよろしいですか?」
「なに?新井さん。」
「約束はいったいなんだったんでしょうか?」
「あぁ、大したことじゃないよ。
私がケーキをあげて、湊が指輪をくれるっていう約束。」
「一輝さんは約束より
その前後のことを俺に思い出させたかったんだろうな。」
「それはどのような…」
「ナイショ!ね、湊。」
「そうだな。
でも結局一輝さんとも約束は果たせず終いだな。」
「私はそのように思いません。」
突然片桐が俺に向かって言った。
「一輝様との約束は湊様が一輝様より
強くなることではありません。
由茉様をお守りすることです。
湊様は由茉様をお守りすることができていると
私は思います。」
「ただ由茉に危険がないだけだろ。」
「旦那様から、私を由茉様の執事に選んだのは
湊様だとお聞きしました。
湊様は由茉様をお守りするために
私を選んだのではないのですか?」
「あぁ、片桐さんって湊より強いって
さっき言ってたもんね?」
「……それだけじゃねーよ。」


