「いっ、てー……」
「ご、ごめん!」
「いや、いいよ。
離れんなよ。」
俺から離れようとした由茉を
俺はまた引き寄せた。
……………倒れたまま。
「……覚えてて、くれたの?」
「いや……さっき思い出した。」
しかも夢で……。
「そっか。
私はね、高校生の時
記憶障害になって記憶なくして
記憶を取り戻したときに一緒に戻ってきたの。」
「あー、なるほどな。」
「会ってたんだね、私たち。」
「お互いすっかり忘れてたな。」
「ね。
でも私本当に嬉しかったんだ。
いなくならないって言われて。
湊の心の中にずっといるって言われて。
それだけで私の生きた証しになるから。」
「……………あんとき、俺はずっと遊ぶことができなくて
遊ぶと言ってもいつも敷地内。
外で遊ぶやつとかがすげー羨ましかった。
だから、ちょっと由茉の気持ちがわかったんだ。
外に行きたいのに行けない悔しさと憧れ。
あの時由茉と出会って初めて友達ができて
俺すげー嬉しくってさ。
由茉だけは失いたくないって思ったんだ。」


