「湊!」
私は倒れて立ち上がらない湊に近づいた。
「はは、終わったー。」
湊が声を出して笑うなんて珍しい。
なんて事は考える余裕もなかった。
「いってー、本気で殴んなよ。」
「……………え?」
なんで一輝が…?
「俺も、立てねーっすよ。」
湊は苦しそうに笑いながら答えた。
「一輝さんが湊の顔殴る直前に
湊は一輝さんの腹を殴ってるよ。
左手で。」
そういって近づいてきたのは爽。
「左手で?」
「湊は右手しか使わねーのにな、いつも。」
「一輝さんに読まれないためには
そうするしかなかったからな。」
そっか、一輝は湊のことが読めるのか……
「強くなったな、湊。」
一輝は倒れている湊の顔元にしゃがみ、言った。
「俺にも守るものができたってことですかね。」
湊がそういうと一輝は笑った。
「飛鳥、幹部室で湊を手当てしてやれ。」
「終わったの?」
「俺一輝が殴られてるとこ初めて見たわ。」
そう言いながらこちらへ歩いてくる飛鳥。
「ほら、立てよ。」
「ちょ、飛鳥さん。
もうちょい優しく…」
湊は苦笑いしながら立ち上がり、
飛鳥と航大と上へ行った。


