「でもあの車に5人はきついだろ。
つーか西尾が運転して柳もついてくるし。」
「車変えてもらう。」
「由茉も人遣い荒いな。」
「それか新井さんも呼ぶ?」
「新井じゃ下のやつら気つかう。」
「……………一輝。」
「もっとだめ。俺はよくても。」
ですよねー。
片桐さん今日いないし…。
「やっぱり車変えてもらって。」
「はいはい。」
ちょっとわがままだけど
車を大きいのに変えてもらうことにした。
「由茉さん。」
話しかけてきたのは美幸さん。
「なに?」
「それ、婚約指輪?」
「あ、うん!そうだよ!」
「すごいね。同い年でしょ?
婚約とかすごいね。」
「由茉ちゃんと湊は高校卒業した日に
婚約したんだよ。」
私と美幸さんの会話に
哉斗が入ってきた。
「え、学生でこの指輪!?」
美幸さんがとても驚いた。
「ふふ、借金だけどね。」
「借金してるの?」
「うん、そーだよ。
どうしようもないでしょ。若いのに。」
「……………そうだね…。」
「由茉ちゃん、美幸を騙さないでよ。」
「騙してないよ。今返済中だもん。」


