「ごちそうさま。」
颯がいちばんに食べ終えた。
「美月、颯がごちそうさまって言うときは
美味しかった時だよ。
颯、あんまり美味しいとか言わないけど
美味しい時は癖なのかごちそうさまって
必ず言うから。」
「……………どんなとこまで気づいてんだよ。」
「だって颯、如月時代に出前とかコンビニだと
なんにも言わないけどさ、ラーメンとか
私が作った鍋の時はごちそうさまって言ってたし。
あの頃は颯が言うなんて珍しいって思ってたけど
大学入学してから気づいたの。
哉斗のご飯も言うときと言わないときあるし。」
「由茉はよく見てんだな。」
「ふふ、湊ほどではないけどね。」
「ごちそうさま。うまかった。」
「お粗末様です。」
……………ていうかこの二人会話ないね。
美月なんて無言だし。
「颯、さっさと謝れよ。」
ついに湊が声に出した。
「………颯、ごめん。」
結局先に謝ったのは美月。
「私、甘えてたね。」
「……………俺も悪かったな。」
「じゃあこれで仲直りね!」
よかったよかった。


