片桐さんが心配するから

私は映画の始まるギリギリに入った。



それから私は一人で映画を見た。


一人で映画なんてね………。

こんな時間もかなり久しぶりだ。


日本に帰ってきてから湊と知り合って

私は一人の時間がほとんどなかったから。







んー…面白かった。


帰ろ。


私は立ち上がり、劇場を出ようとした。



「……………あれ?和真?」


同じ劇場内に和真が一人でいたのだ。


「由茉さん…。」


「どうしたの?元気ないね。」


「あ、いえ…。」


……………どうしたんだ?こんな落ち込んで…。