「あ、これにするわ。哉斗。」
「なにそれ。」
それはすごく変な顔をしたブタのぬいぐるみ。
「哉斗怒りそう。」
「俺のいないとこで由茉に近づいた罰だな。」
そういう湊は笑顔で
やっぱり哉斗のことは好きなんだな、と思い知った。
「あ、湊!
それキーホルダーもあるよ。」
近くに小さなキーホルダーも見つけた。
「これ、みんなで持たない?」
「まじかよ。
まぁいいんじゃね。
じゃあ6個な。」
「6個?8じゃなくて?」
「俺は美月と愛奈ともお揃いを持つ気はねーよ。
かといってあいつらと持ちたい訳じゃねーけど。」
「ふふ、素直じゃないなぁ。」
「……………爽みたいな事言うなよ。
ま、買ってくるか。」
全然アメリカ感はないけどね。
「じゃあ如月幹部っていう証だね。」
「このブタがな。」
……………ふふ、それもまたいいね。
私たちは笑いあった。


