「君には貸しがあるはずだ。」

「は?そんなの身に覚えありません。」


思わず、デスクに手をつき身を乗り出して反論してしまう。

あ、やっぱりこのデスク手触りもいい。


じゃなくて。
社長にこんな態度ありえないかもしれない。

けど、本当に身に覚えがない。
そんなことで解雇されてたまるか。


「エレベーターで閉じ込められたのは君のせいだ。自分で言ってただろう?」


しれっという社長さま。
いや、確かに私がそう言ったけど、


「そういうの信じてないって言ってたじゃないですか。」

「信じてはない。でも責任はとってもらう。」

「は?」

「あれで俺は一個予定が潰れたんだ。」


な、なんて横暴な。