「でも、吹っ切れてるみたいで良かったわ。心配してたのよね。
話聞けて良かった。ありがとう、幸子ちゃん。」

「い、いえ。」


私こそ、社長の新たな一面が知れてよかった。

荒れてた時期もあったんだな。その事実になんだか妙にホッとした。


「あの、椿さん。」

「ん、なに?」

「一つ、聞いていいですか?」

「私で答えられることなら、なんでもいいわよ。」


にっこり笑顔で言ってくれる椿さんに、若干申し訳なさを感じるが、やっぱり聞きたい。


「奈々さんっていう女性知ってますか?」


社長、ごめんなさい。

勝手にプライベートを詮索するようなことをして。


でも、アラサー女は何ふりかまってられないんです。