慌てて社長の背中を追いかける。 思い切って聞いてしまおうと息を吸い込んだとき、 ーーーーヴーヴーヴー 社長のスマホが鳴った。 画面を見た瞬間に、社長の表情がガラリと変わる。 「悪い、急用が入った。」 仕事かな?社長は、忙しい人だからな。 そう思ったとき、開いたままの画面をちらりと見てしまった。 その画面には、『奈々』と明らかに女性の名前が表示されていた。 『今すぐ話がしたい。』 そう表示されていた。