「凛音のピアノにはストーリーがあるんだ。
プロでもなかなかいねーよ。
人を惹き付けやすい。感動させやすいんだ。」
「へー…そんなこと言われたの初めて。」
「プロには向いてるかもな。」
「ほんと!?それはかなり嬉しいかも。」
私は優希に言われたことが嬉しくて
思わずにやけてしまった。
「ってかさ、国際コンクールって
優勝すると留学援助受けられるだろ。
凛音は留学すんの?」
「よく知ってるね。
私はしないかな。援助受けたとしても
お金ってかかるでしょ?
私の兄だってまだ学生で…しかも家事できないし。
一人置いていけないよ。
彼女と同棲するまではね。
ピアノはどこでも弾けるもん。」
「…まぁ留学が全てではねーか。
しかも凛音日本語しか話せねーしな。」
「うるさいよ!」
ほんと、頭いい人はいいよね。
私が惨めになるよ、全く。


