10年前の約束。



「凛音のピアノにはストーリーがあるんだ。

プロでもなかなかいねーよ。

人を惹き付けやすい。感動させやすいんだ。」


「へー…そんなこと言われたの初めて。」


「プロには向いてるかもな。」


「ほんと!?それはかなり嬉しいかも。」


私は優希に言われたことが嬉しくて

思わずにやけてしまった。


「ってかさ、国際コンクールって

優勝すると留学援助受けられるだろ。

凛音は留学すんの?」


「よく知ってるね。

私はしないかな。援助受けたとしても

お金ってかかるでしょ?

私の兄だってまだ学生で…しかも家事できないし。

一人置いていけないよ。

彼女と同棲するまではね。

ピアノはどこでも弾けるもん。」


「…まぁ留学が全てではねーか。

しかも凛音日本語しか話せねーしな。」


「うるさいよ!」


ほんと、頭いい人はいいよね。

私が惨めになるよ、全く。