10年前の約束。




「つーかさ、お前にコクった男、大貴だろ。」


「え、なんで…。」


「10年前、凛音が双葉に入院してるのを知ってて

俺のピアノが好きで聴きに来てたと知ってて

難易度の高い曲も弾けて、でも俺よりは下手で

俺のガキの頃に似てるなんて大貴しかいねーし。」


「……………なんで優希は大貴くんのことを…?」


「俺の兄貴。」


「えぇ!?で、でも名字が…。」


「離婚してるっつったろ。

俺はもともと多々良優希。」


「………そういうことかぁ…。」


「あいつ、俺になつく凛音が好きで

俺に対抗してピアノを頑張るようになったんだ。

俺が弾かなくなってから弾いてないらしいけど。」


「…そういうことかぁ…。」