10年前の約束。




はぁぁぁぁぁ。


控え室に戻り、緊張感から解放された私は

椅子に勢いよく座り、項垂れた。


お母さん、お父さん、お兄ちゃん、優希……

……………ついでに玲音。


やれることやったよね。

あとは結果だけだね……。


私はお茶を飲んで一息ついた。


「結城さん。」


私は突然話しかけられた。


「はい。」


確か……金子さん?


「あなた、初めて見たのにすごく上手なのね。」


「え…ありがとうございます。」


「感動した。

まだいたのね、ストーリーを語れるピアニストが。」


「ありがとうございます。」


「もうすぐ結果発表ね。

ライバルだけど、結城さんの結果が楽しみ。」


「いえ、私なんか…。」


私はそれからしばらく金子さんと話した。