「すげーよくなったな。

最初はあんな下手くそだったのに。」


「最初なんてあんなもんでしょ!

買ったばかりだったし。」


「曲決めんのおせーけどな。」


「それはなにも言えません。」


「凛音は金賞目指してんの?」


「やるからにはね。」


「ま、そうだよな。

そうだ、これやる。」


「………ネックレス?

でもこれ子供のでしょ。」


「俺のお守り。」


「ふーん…?」


「本番ではつけられねーけどな。

タオルと一緒にピアノんとこ置いとけ。」


「うん、わかった。」


お守り、ねぇ…。