ちょ、ちょっとちょっとちょっと。
三人はともかく、優音は何も言わずに帰る気?
それとも皆と一緒に充くんを迎えに行くとか?
慌てて立ち上がり、追い掛けようとすると、
「凛音、お前は此処に残れ。陽と彼方も一階にいるから」
十夜に腕を引かれ、再びソファーへと戻されてしまった。
「一階にいる?」
どういう事?
詳しく聞いてみれば、どうやら充くんを迎えに行くのは十夜と煌、そして運転手の壱さんだけらしい。
陽と彼方は倉庫で待機。
車の定員オーバーっていうのもあるけど、遥香さんが拉致られそうになった時みたいに倉庫が奇襲される可能性があるから、万が一の時に備えて、との事らしい。
十夜達が帰ってくるまであたしと遥香さんはリビングでお留守番。
そして、優音は獅鷹へ帰って現状報告。
「分かった。此処で待ってる」
そういう事ならあたしは大人しくしておいた方が良いだろう。
あたしが充くんを迎えに言った所で何かをする訳でもないし。
でも、遥香さんと此処で二人っていうのが少し気まずい。
「何かあったら陽と彼方に知らせろよ」
「うん」
十夜はポンッとあたしの頭に手を乗せた後ソファーから立ち上がり、その場から立ち去ろうと足を踏み出した。
「十夜、待って!」
けど、一歩踏み出した所で遥香さんに呼び止められた。


