Ri.Night Ⅴ ~Final~【全完結】


「そんな……あの言葉が充くんの事だったなんて……」


そんな事、夢にも思わなかった。


「凛音、お前が気に病む必要はない。“掃除”だけじゃ何の事か分からなくて当然だ」


「でもっ」


気にならない訳ないよ。


だって、“掃除”の意味が分かっていれば未然に防げたかもしれないんだよ?


そんなの気にするに決まってる。



「りっちゃんのせいじゃねぇよ」


「そうだよ。悪いのは“D”なんだから」


「凛音、気にすんな!“D”なんか俺がコテンパンにやっつけてやる!」


「彼方、壱さん、陽……」


塞ぎ混むあたしを見て優しい言葉を掛けてくれる三人。


皆の優しさに胸が締め付けられ、泣きそうになる。



「さてっと行くか。お前は菓子でも食って待ってろ」


「いだっ!」


三人の言葉にじーんと浸っていると、それを見事にぶち壊してくれた男が一人。


「煌~。何すんのよ!痛いじゃない!」


顔面にぶつかってきた固い物質に思わず大噴火。


状況が状況だけどキレずにはいられない。


だって普通顔面に向かって物投げる!?

有り得ないでしょ!



直撃した鼻を押さえながらチラリと足元に目を向ければ、そこにはお気に入りのお菓子、マヨチョコが転がっていて。


「あぁぁぁぁ!!ちょっと!チョコ割れちゃったじゃん!」


明らかに変形しているチョコレート。

それを見てまたまた大噴火。