「そんな……あの言葉が充くんの事だったなんて……」
そんな事、夢にも思わなかった。
「凛音、お前が気に病む必要はない。“掃除”だけじゃ何の事か分からなくて当然だ」
「でもっ」
気にならない訳ないよ。
だって、“掃除”の意味が分かっていれば未然に防げたかもしれないんだよ?
そんなの気にするに決まってる。
「りっちゃんのせいじゃねぇよ」
「そうだよ。悪いのは“D”なんだから」
「凛音、気にすんな!“D”なんか俺がコテンパンにやっつけてやる!」
「彼方、壱さん、陽……」
塞ぎ混むあたしを見て優しい言葉を掛けてくれる三人。
皆の優しさに胸が締め付けられ、泣きそうになる。
「さてっと行くか。お前は菓子でも食って待ってろ」
「いだっ!」
三人の言葉にじーんと浸っていると、それを見事にぶち壊してくれた男が一人。
「煌~。何すんのよ!痛いじゃない!」
顔面にぶつかってきた固い物質に思わず大噴火。
状況が状況だけどキレずにはいられない。
だって普通顔面に向かって物投げる!?
有り得ないでしょ!
直撃した鼻を押さえながらチラリと足元に目を向ければ、そこにはお気に入りのお菓子、マヨチョコが転がっていて。
「あぁぁぁぁ!!ちょっと!チョコ割れちゃったじゃん!」
明らかに変形しているチョコレート。
それを見てまたまた大噴火。


