「さっき貴音が言ってただろ。“お前らしい総長になればいい”って」
「……うん」
「俺もそう思ってる。──勿論、アイツ等も」
「十夜……」
十夜と貴兄が言う、あたしらしい総長。
それがどんなものなのかはイマイチ分からないけど、きっと色々経験していけば分かっていくと思う。
「新しい時代が来るかもな」
「……新しい時代?」
「あぁ。“鳳皇歴代初の女総長”、いや、“鳳皇歴代初の女総長兼鳳凰妃”の時代がな」
「あ!そっか、あたし鳳凰妃だった!」
すっかり忘れてた。
っていうか、
「え、あたし総長と鳳凰妃掛け持ち?それってアリなの?」
そう問いかけると、急に黙り込んだ十夜。どうやらそこは考えてなかったらしい。
「掛け持ち……いや、総長になった時は俺はもう抜けてるから鳳凰妃ではねぇか」
「あ、そっか。鳳凰妃って総長の片割れの事だもんね」
十夜が抜けたのに鳳凰妃っていうのはおかしいか。
「じゃあ、“歴代初の女総長、元鳳凰妃”って事で!」


