「煌さーん!新技編み出したんで食らってくれませんかー!」
「あー?新技?いいぜ。今そっちに行く」
勇介くんまで新技!?
なになに。最近新技を開発するのが流行ってんの!?
煌を手招きする勇介くんに開いた口が塞がらないあたし。
「なんだよ。お前までプロレスにハマってんの?」
「俺は元々プロレスが好きなんだよ。まぁ、公言したのはコイツが来てからだけどな」
「……えへ」
「あー、成る程な」
そう言えばあたしが来た時には誰もプロレスしてなかったもんね。今じゃもう、皆と遊ぶと言えばプロレスごっこだ。
「貴音、お前もやってみろよ」
「俺が?」
「いいね、貴兄やってきなよ!」
貴兄の背中をグイグイ押すと、貴兄はプロレスをしているメンバー達を見て不敵に笑った。
なんだかんだ言ってノリがいい貴兄。貴兄の事だから、ちょっとやっただけで強くなりそうだ。
「じゃあ行ってくるわ」
「はーい」
並んで歩いて行く二人に「いってらっしゃい」と手を振る。


